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原民喜のこと

「原民喜のこと」

 日本語の研究者である大野晋氏の『日本語の水脈』(新潮文庫版)を読了したので、簡単に読書感想文を書いておこうと、参考になる情報がないかと、ネットを「大野晋」で検索してみた。 
 すると何故か「原民喜」が出てくる。あの「夏の花」の原民喜である:
 http://www.sumomo.sakura.ne.jp/~aozora/tamiki/hara_tamiki/files/hara_tamiki_isho.html
 大野晋氏は、原民喜について、何か語っているのか。
 そうではなかった。別人だったのだ。
 実は、原民喜が世を去って半世紀が経ち、彼の著作権が消滅したのである。
 それに伴い、彼の作品を是非、ネット公開したいという動きが表面化し、同じ志を持つ人たちの中で、大野晋氏(日本語学者の大野氏ではないほうの)が発起人になる形で、原民喜プロジェクトがスタートしたわけである。
 サイトは勿論、このフォーラムでも何度も紹介した「青空文庫」である:
 http://www.sumomo.sakura.ne.jp/~aozora/tamiki/tamiki_index.html
 このプロジェクトに関わったある人の感想などが読めるサイトがある:
 http://www.ne.jp/asahi/suigyu/suigyu21/sg0208.html#LUNA%20CAT
 
 日本にアメリカ軍によって広島・長崎に原爆が投下されたという歴史的事実を知らない若い人も増えているとか。忘れていいことなのだろうか。忘れてはならないことなのか。その答えは、結局は各人の胸の中で決めることなのかもしれない。
 自分としては、原爆投下という悲惨な現実は、決して忘れてはならないことと思う。思いつつも、忘れていくのが人間でもあるような。
 そうした迷いの時、原民喜の諸作品を読み、静かにこの現実を思うのだ。


                             (02/09/16)
by at923ky | 2004-12-12 00:01 | 人物紹介


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