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雨月

季題【季語】紹介 【9月の季題(季語)一例】」を眺めていて、まだ採り上げていない季語の中にも、気になる言葉が幾つも見出される。
「秋の夜、夜長、夜なべ、夜食、名月、月見、無月、雨月、枝豆、芋、十六夜、子規忌」…。
「十六夜」も「子規忌」も、まだ早い。「名月」や「月見」はこの先、何度でも触れることになるだろう。
「曼珠沙華、鶏頭、雁、秋扇、秋刀魚」なども気にかかるし、あれこれ書けそうだが、やはり時期尚早の感が強い。
 で、昨夜半過ぎの猛烈な雨もあり、「雨月」など調べてみようと思う。
 それにしても、月をめぐっては実にさまざまなことが語られ感じられ思い入れされてきたことだ。小生にしても、せっかちなもので、既につい最近、「夕月夜…秋の月をめぐって」を書いたばかりなのだった。

 さて、「雨月」というと「雨月物語」と、紋切り型の知識しかなく、かといって、上田秋成の「雨月物語」は、読んだことは二度ほどはあっても、小生に作家やその世界について語るほどの準備があるはずもない。
(「雨月物語」については、松岡正剛氏の「千夜千冊」をどうぞ。)
さきわいみゅーじあむ」の「今月の季語 9月1日~30日(陰暦8月4日~9月3日)」(名月(めいげつ)」の項)によると、名月の夜に雲がかかって中秋の名月に接することができないことを無月(むげつ)、雨のために全く見られないことを雨月(うげつ)、空気が澄みわたり、中秋の月光が輝く夜を良夜(りょうや)とい」うのだとか。
「雨月」には、「雨の月」という季語表現もあるとか。
 中秋の名月は愛でることができることを期待しつつ、さらい「雨月」の周辺を見てみたい。
 ネット検索していたら、「雪月花 季節を感じて」という素敵なサイトを発見。その「あ~お で始まる ことば歳時記」の「雨月(うげつ)」の項を見ると、「陰暦八月十五日の仲秋の名月が、雨にたたられて見えないこと。姿は見えなくとも、時折雲の切れ間から月の光がもれて明るんだり、雨の合間にほの明るくなる様子にすら情趣を感じていた古人のこころが偲ばれます」とある。
 やはり、雨に祟られていても、月影を恋焦がれる古人の思い、ということになるのか。
 実際には、月影がまずは望めないからこその「雨月」のような気がするのだが。
(05/09/15am)



[ 昨日の午前、ここまで書きかけて、小生は中断してしまった。出先だし、季語随筆のブログサイトへのアクセスもできないので、帰京してから続きをゆっくり綴ろうと思っていたのだ。
 ところが、「雪月花 季節を感じて」さんのサイトが素敵なので、とりあえず挨拶だけと思ってコメントし、すぐにレスが返ってきた。
 さらに、「疑問点は、雨(雨雲)で月は全く見えない…それでも月影を偲んでいるのか、それとも、雨雲に遮られていた(いる)のが、わずかに月影が顔を覗かせてくれた、その光景を示しているのか、だったのです」と、念のためもあり、「雪月花 季節を感じて」さんサイトをヒットした理由(キーワード)などを書いておいたら、想像などまるで及ばない丁寧なレスを頂いてしまった。
 そのレスは、「秋草」のコメント欄に、また、小生のブログサイト「夕月夜…秋の月をめぐって」のコメント欄にも、書いてくれたので読むことができる。
 驚いたことに、「雪月花 季節を感じて」のサイト主さんは、次回の更新の際に(今日にも?)「雨月」乃至「無月」に関わる記事を書かれる予定とのこと。小生は、頂いたコメント欄の意見や次回の更新記事を読ませていただいて、改めて、この記事に戻ろうと思っている。
 こうした交流を通じて和歌や俳句、季語、さらには日本語や日本の文化について理解を深めることができるなら、これにます幸いなことはない。 (05/09/16 夜半記す)]
by at923ky | 2005-09-16 23:46 | 随想


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